脳からすると、視覚聴覚はバーチャルに脳が作り上げた世界で、目や耳から得られる情報はカメラやマイクで外を撮るかのような、ときとして色がゆがんだりノイズが乗っかりたり不完全なものです。

その不完全さを脳が補って、我々が感じる世界は構築されています。
必ずしも真実そのものを写しとるわけではなくて、これまでの経験や推測ですので、現実ではないことも たまには起きてしまう、我々が見ている世界は、リアルというより推測であると言った方が良いかも知れません。

脳はこれまでの経験で目や耳から得た情報を判断しているので、人によって反応するものが違います。
好みも入ってくるので、これまでどういう音を聴いたかから逃げられないのです。
僕たちにとっての体は、ある意味幻想でしかない、そして脳は補正する。
見たものが正く見えることはまれです。
立体は奥行きがあって、だけどそこまで行って確かめないで片側から見ただけで裏側まで理解する事は出来ません。
音も同じです。
レコードを聴いただけで演奏者やその思いを理解しようというのは大変な事です。
脳は、答えのない問題を無理やり解かされている様なものです。それだけ凄いことをしているとも言えます。

私たちがふだん感じているものは、ほとんどが錯覚とです。「感じること」は「錯覚すること」と同じです。
そもそも我々が感じているものすべては、バーチャルリアリティなんじゃないかと思えてきます。
現実で色々な刺激が体に入ってくる、だけどそれは正しいか正しくないかわからない。
その中で取捨選択して「きっとこいういう世界だ、音だ」というものを自分の中で作っています。
ではレコードでは足りないものを、最近のGe3の製品(篳篥・朱蘭歌)で、バーチャルで補って現実にいい影響を与えられると考えています。
すでにGe3ユーザーや、プロの演奏家の方々はそれを感覚的に実感されています。