高橋豊彦さん「楽器には誰かが住んでいるんだよ」
「だから、その楽器と仲良くなるには、その誰かに寄り添わないと鳴ってくれない」
「篳篥は、その楽器に住んでいる誰かが分かるようになる、すると楽器が鳴りだすんだよ」
「楽器とのつながりが強くなるね」
「古い楽器には、その時代の記憶が残されている」
「その楽器と対話をしていくと、その時代の空気を再現できるんだよ」
「」

安西「高橋さんの初めの1音が鳴った時に、その時代の空気に包まれてタイムスリップしたようでした」
「現代楽器の演奏家はその演奏家のイメージの世界に導かれます」
「作曲家の時代のイメージはありますが、空気に包まれる感じではないんですよ」

高橋「バロック時代は、演奏側も聴く側も霊感があって、鳴らす音に霊的に共鳴していたんだよ」
「(演奏家は)音に思いを込める」
「だから聴く側は、その音楽の意味まで理解できた」
「作曲された曲には、その時代の背景の記憶が織り込まれているから、それを感じて聴くと良い」
「そうすれば、作曲された時代にタイムスリップ出来る」
「曲はタイムマシンでもある」

「産業革命以降、生活が便利になり霊感を使う機会が少なくなって、みんな霊感を忘れてしまった、
だから霊感で音楽を聴くということが無くなってしまった」
高橋さんは、古楽を学ぶ若い人たちへの助言を兼ねて、情報過剰時代の音楽のあり方を問いかけている。
また、高橋さんはオーディオ愛好家ではないのですが、興味深いことをおっしゃっていました。
「(レコードの)録音をするとき、アナログ録音だと曲が持つ時代の空気や、録音現場の空間が録音されるけど、デジタルでは空間がでない」

Ge3は、音楽をデジタルで録音すると、つながって流れる音楽を時間で切り刻むので、切った瞬間、演奏家が音に込めた思いが飛び散ってしまうと考えて、篳篥は、飛び落ちったものを集めてつなげることを目指した商品です。
篳篥は、霊感を無くしてしまった現代の演奏家や音楽愛好家にも作曲家とのつながりを助けてくれていて、音楽をより理解できるよう助けてくれます。
演奏家は作曲家の空気を連れてくる、それをオーディオで再現するのがGe3の仕事だと思っています。