IGさん宅に伺うのは、今回で4回目になります。
全てのアンプとレコードプレーヤー、カートリッジは、市野式で、市野氏により、電源は配電盤からあかんケーブルで供給され、大容量のアイソレーション電源トランスが使われています。
スピーカー(写真右側)が凝りに凝っていて、1940年代クラングフィルムの励磁型オイロダイン。
これは劇場用スピーカーで、ドイツのオーディオ技術の最高峰のスピーカーと言われています。
当時はモノラルなので、スピーカー1本で過去から現在、全ての音楽をモノラルで再生されています。
励磁型オイロダインというだけでも貴重なスピーカーだというのに、ウーファーを同時代のイタリア製に代えています。
メーカー不明だそうでスピーカーユニットを見てもメーカー名は見当たらず、ただmade in Italyとだけ記されています。
私はこのイタリア製のスピーカーを導入された日に立ち会うことが出来て、このイタリア製の音楽性の高さには驚化されました。
IGさんはジャズとクラシックを愛されていて、女性ジャズボーカルのレコードを聴かされた時には、本当にうっとりしながらその美音に酔いしれました。


今回聴かせていただいたレコードの一部の写真です。
IGさんはレコードのセンスも抜群です。

渋谷の街中にも関わらず、この部屋に通されると静かな別荘地の30畳はあるリビングに通うされた様な空気感です。


(大地8の導入で、ラックの見直しを検討されているそうです)

前回伺ったのはコロナ前で大地7をお使いでした。
今回は美音というよりは、生々しい女性ボーカリストの上半身がスピーカーの前に立ち、香り立ちそうな雰囲気で、まだ午後3時なのに、夜9時の小さいジャズクラブにいる様です。
モノラルでもステレオレコードをでも、音楽が始まるとスピーカーは消えて、
(ステレオレコードもモノラルカートリッジで再生するという掟破りにも関わらず…)
時空を超えて演奏されているその時に連れてかれる様で、時間の流れも変わっています。

篳篥のパッケージデザインをお願いしたタキオノさんもどいう席いただいていて「素晴らしい!」の連発でした。タキオノさんは特にフランス盤のリリークラウスのモーツアルトのピアノソナタでは「これ1950年代のレコードなの!?」「最近のレコードより生々しいじゃない!」「しかもスピーカーが1本」。
GIさんは「だって音は一ヶ所から出てるんだもん」。

GIさんはこれまでも大地7を使っていただいており、私たちが伺う数日前に大地8を導入されたばかりです。
いかがですか?とお聞きすると、「別格だね」と最高のお言葉をいただきました。